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医師とクスリ 1長生きの相場

長生きについて。


 有名人が亡くなるとニュースで報道され、えっ、あの人が、と感慨深い気持ちになります。

ある程度の年齢になると、親・恩師・上司など、顔を知っている上の世代の人が亡くなり、同世代の友人も鬼籍に入るようになり、否が応でも死を意識するようになります。

子供が結婚する頃には私は何歳、孫に子供が生まれる頃には何歳、親が亡くなった歳を考えるとそれまで自分は生きていられるか・・

そんな中多くの人は、なんとなく、これぐらい生きれたらまあ充分かなあ、と自分の寿命を勘定します。


 80歳生きたら十分と思っている人に100歳まで頑張れというのも、100歳を目指している人に80歳で十分でしょうというのも、個人の意思に沿わない意見、余計なお世話です。

進学校に行かない人に東大目指して勉強しろと言ったり、甲子園を目指している高校球児に部活をサボって遊びに行こうというようなもんです。



 人間は必ず何歳かで死ぬものですが、長生きしたいと思っても150歳生きるのはムリそうですし、長生きしたくないと思っても元気なのに死んでしまうわけにもいきません。

寿命の相場が分かればよいのですが、そこで参考になるのが平均余命表です。

これをみると、ある年齢の人々があと何年生きられるかいう期待値が判ります。

あくまで統計の値なので、これを読んでいる人個人に当てはまるわけではありませんが、相場は掴むことができます。






 これらの図は上から昭和45年、平成2年、令和4年の厚労省が発表している平均余命表を改変したものです。


60歳の人の平均余命表の中央値(同い年の人が100人いれば、50番目に死ぬ人の年齢)は、

昭和45年 男性75歳、女性80歳

平成2年 男性80歳、女性85歳

令和4年 男性85歳、女性90歳

と、50年ほど前と比べると10年位伸びています。


100歳以上で亡くなる方は

昭和45年 男性0.03%、女性0.2%

平成2年 男性0.3%、女性1.6%

令和4年 男性2.3%、女性8.5%

と長寿化が進んでいるのが分かります。


 同じペースで寿命が延び続けるかどうかは判りませんが、今は平成の初めと比べて高齢化が進んでいるのは間違いなく、短くなることは無さそうな気はします。


 なんとなく、

・男性の4分の3が75歳以上生きる

・女性の8割が80歳以上生きる

という相場を見るとなんとなく不摂生なオッサンでも、『昭和の感覚では』長生きしそうな感じがしますね


 この記事を見ている皆さんは予想以上にも長生きできるものだ、医療の進歩のおかげだという感想を持たれた方もいると思います。

 でも私は平均寿命が伸びたのは、医療がどうこう言う前に環境(栄養・衛生・冷暖房など)が著しく改善したおかげだと感じております。


 受検するときには模試を受け、志望校の合格率を確認します。

厳しい判定が出れば猛勉強しなければいけないし、良い判定が出れば息抜きしても良いでしょう。

 同じように、これぐらいまでは生きていたいという目標が案外近いところにある人はそこまで節制する必要がないし、遠いところにある人はしっかり節制してお医者さんにもかかりながら健康管理が必要になってくる。

ということは、クスリもしっかり飲む必要があるということになりますね。



 この表は年金をいつ貰いはじめるか、貯金はいくらぐらい用意すべきか、保険には入るべきかと言うことの他、旦那がくたばるまであと何年我慢する必要があるか、という目安にもなります。

是非参考にして下さい。



 さて、このグラフから分かることは、いつ死ぬと予想できるか?だけで、80歳で死ぬにしても、60歳で脳卒中を起こして20年間寝たきりになるか、前日までゴルフをするぐらい元気だったのに朝起こしに行ったら冷たくなっていたのかは分かりません。


それについては次回に書こうと思います。

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