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Hyperlipidemia

高コレステロール血症

高コレステロール血症とその治療について

 コレステロールは生体膜の構成物質で生命維持には不可欠なものですが、多すぎると動脈硬化の原因になると言われています。

コレステロールの薬を飲むことで将来の動脈硬化を予防する効果が期待出来ます。

 

 動脈硬化という言葉は聞いたことがあると思いますが、動脈硬化そのものには症状はありません。

症状は動脈硬化によって臓器に血流障害が発生したときに起こります。

血流障害は電線の接触不良のように、発生する直前まで症状は出ません。

言い換えればコレステロール値が高くても検査しない限りは自覚症状がありません。また、肥満や運動不足はガンに悪影響を及ぼしますが、コレステロール値自体は高くてもガンには影響がありません。

 それではどういう人がコレステロールの薬を飲む必要があるのか。

私自身は、以下の条件を満たす方だと思っています。

  • コレステロールの数値が著しく高い方(薬を飲まない状態でLDLコレステロール値が200mg/dLを超える)

  • 男性で90歳・女性で95歳よりは長生きしたいと思っている方

  • コレステロール値が高いということが気になって、日常生活の一部を変えることがストレスになっている方

逆に飲む必要がないと思う方は

  • 『自分はいつ死んでも良い』と思っている方、もしくはそれほどの長生きを目指さない方

  • 男性で90歳・女性で95歳以上の方

  • 薬を飲むことによるストレスが、長生きできないかも知れないと思う。ストレスに勝る方

 咳や頭痛のような症状を抑える薬は、飲むことによって短時間で症状が治まる、というはっきりしたメリットがあります。

咳や頭痛が長引く場合には原因となる病気に対する治療を考える必要がありますが、多くの病気(症状)はさほど長く続きません。

やめて症状が出なければ、そのままやめても構わない薬です。

 喘息や癲癇(てんかん)などは適切に服薬を管理していれば、発作はほぼコントロールできます。

薬をやめてもたちどころに呼吸症状や関節痛などの症状が悪化する、ということはありませんが、発作が出たときに生じるデメリットは甚大です。

また、関節リウマチなど、病状が目に見える速度で悪化していくような病気では、薬を飲むことのメリットは十分感じることができます。

 繰り返しますが、コレステロールの薬は高コレステロール血症という状態を治療するお薬ですが、最終的な目標は、動脈硬化という病気にならないようする『予防薬』です。

予防薬は飲んでいる間に効果を実感することが薄い薬でもあります。

そして効果がはっきりするのは、死を含む重度の障害がおこるのがちょっと遅くなった、とわかった時です。そして障害が発生したときに思うことは『ああ、長く発症しなくて良かった』ではなく、『どうして私に障害が?』です。

 当院では予防が必要かどうか、意味があるのかどうかを患者さんの意見を聞きながら治療を勧めていきます。

当クリニックは予約優先です。
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【休診日】火/日/祝 不定休あり
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